


香港上場支援

I. 香港証券取引所の概況
- 2011年9月末時点、香港証券取引所(HKEX)の上場企業数は1,467社である。そのうち、メインボードには1,301社(銘柄)で、GEM市場(創業板)に166社がある
- 現状、中国企業数がHKEX上場企業数の4割を占めるが、毎日平均の市場取引量(Average Daily Equity Turnover)の72%に達し、事実上で「中国企業(中国銘柄)がHKEXの半分を占めている」と言ってもよい。
- 2010年末時点、香港新規株式公開(IPO)された銘柄について、
8割以上が中国大陸の企業(若しくは、中国関連) 15%が香港本土の企業 残りの6%がその他地区企業(以下、“海外企業”)からなった。
表1:主要な証券取引所の数字比較
出典:WFE
II. 香港IPOの概況
- 2011年9月末現在、HKEXにIPOを完成した上場企業数は58社である。うち、メインボードには50社(銘柄)で、GEM市場(創業板)に8社があった。
- 2011年9月末時点、HKEXで新規公募(IPO)による資金調達が総額HK$1,9343億に達し、深圳証券取引所(第2位)、NYSEを抜いて世界の第1位となっている。
- 香港のIPOラッシュは、6月(14件)と7月(18件)の大盛況であったが、欧州債務危機のためで市況が急に悪化して、8月においてIPO件数がゼロまで落ち込んだ。9月中旬になって6件のIPOを遂げて少し回復してきた。
- 2009年に香港IPOの資金調達額がHK$2,479億(約US$317.8億)に達し、世界一となった。2010年に、超大型IPO(例えば、中国農業銀行=約US$119.9億、AIAグループ=US$203.9億、等)が香港IPOを支え、2年連続の世界一を遂げた。
表2:香港証券取引所のIPO調達金額の推移
*注:9月末まで、2011年にGEMからメインボードへ昇格した銘柄は10社あった。
- 2011年9月末現在、公表された香港IPOの準備をしている会社は約250社がある。上海証券取引所の「国際板」が年内に実現するという競争があっても、香港はそれ自身の優位性を保ち、“香港IPO熱”があと5年くらい続くとの見方が強い。
- 「中国農業銀行」や「AIAグループ」のような超大型IPOに勝てる案件(銘柄)が恐らく減っていくことを予測するが、2011年後半以降のHKEXのIPOトレンド:1)国際ブランドの香港IPOが増勢(例えば、噂では「フェラーリ」も香港!);2)BRICS諸国をはじめ新興経済の大企業(特に資源大手)が香港IPOを選ぶ;3)中国の巨大国営企業のIPO勢いはほぼ終わって、次の波として“準大手”の 保険・金融系を始め、中国国内のインフラ・公用事業系(例えば、京沪鉄道、 寧波港など)が中国資本のIPO勢いを支える;4)中国若しくは香港で事業展開している飲食グループのIPOが増勢。
過去1~2年に話題となったIPO

III. 香港IPOの特徴・特色 ~ 活発な資本市場


国際ビジネス都市

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資本の流入・流出に規制なし |
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低税率しかも簡素な税制、規制の少なさ、法規の整備、行政の透明性 |
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欧米資本にとって香港は「中国の玄関」(地理的な優位性) |
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3,580社の地域統括本部/地域本部 |
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2011年のIMD競争力ランキングNO.1 |

アジアの地域金融センター

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「紐倫港」(NewLonKong)との位置付け |
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アジアで2位、世界6位の株式市場(時価総額ベース) |
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世界100大銀行のうち69行の拠点 |
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世界6位の外為センター |
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人民元決済のオフショア・マーケット(香港での人民元建て預金は今年末に1兆元へ) |
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世界で2番目に大きなVCファンド・センター |
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2010年9月末時点、ヘッジファンドの会社数=538社(ポートフォリオ資産合計=US$632億) |

国際化した証券取引所

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多様な投資家基盤(外資による取引額>46%、内外機関投資家>6割) |
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2009年よりIPO資金調達額が世界NO.1 |
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大型IPOが続々(大型資金調達の消化力) |
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中国資本の「走出去!」 |

取引所の競争と上場ルールの規制緩和

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HDRなど重複上場が認められる |
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人民元建ての株式公開が年内に実現 |
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活発なデリバティブ取引(1日当たり取引額=約US$13.8億。株式の1日当たり取引額の15%強) |
VI. 香港IPOの申請手続及びその流れ
上場企画からスタートしてから、通常1.5~2年 が必要とされる。
ある程度の準備が出来ている場合、最短でも9カ月程度かかる。
(もちろん、最短で上場手続を終えたい場合、上場費用がもっとかかる)


V. 香港証券取引所(HKEX)の上場基準
メインボード | GEM | |||||||||||||||
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1)財務基準 |
*上記基準のいずれかを充足する必要。 |
過去2年間の営業キャッシュフロー合計≧HK$20百万(約US$2.56百万) | ||||||||||||||
2)会社運営 |
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3)最低時価総額 | HK$200百万(約US$25.6百万) | HK$100百万(約US$12.8百万) | ||||||||||||||
4)資産の質的要求 | 発起人もしくはそのグループ(投資会社以外の企業)は、資産の全部もしくは大半が現金・換金しやすい証券の形になっていけない。(証券業務などの業種は除外) | |||||||||||||||
5)株式分散 |
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6)事業目的 | 事業計画書(Future Plan)や展望(Prospects)を含む申請書類に要求される。 | 全般の事業目的(Business Objective)や上場以降2年間の財務計画の提出が必要。 | ||||||||||||||
7)企業国籍(IPO発行体) | 国籍(業務中心)を問わず。 *但し、投資者保護に関する国際標準或いは香港取引所のListing Rulesの条件 (特にChapter 19)を
満たさなければならない。 |
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8)証券の種類 | 普通株(株式と預託証券) | 普通株(株式のみ) | ||||||||||||||
9)重複上場 | 重複上場は可能、プライマリー上場とセカンダリー上場では異なる要件が設定されている。 | 重複上場は可能、しかしセカンダリー上場は認められない。 | ||||||||||||||
10)会計基準 | 香港会計法若しくは国際会計法(IFRS)に基づく会計基準。 *米国会計基準(USGAAP)またはそれに同等した会計 基準の適用につき、香港証券取引所の認可が必要。 |
香港会計法、国際会計基準(IFRS)、米国会計基準(USGAAP)が適用。 |
VI. 香港上場している日系企業・日本企業の事例
① 香港上場している日系企業(香港法人)

最近香港上場を成功した日本企業の事例 - SBIホールディングス株式会社
